海外に行ったことがある、という人は珍しくない。 写真は、もはやケータイで撮る時代だ。だからこそ、というべきか。以前にも増して写真家は「何を見ているのか」が問われている時代なのだと思う。

写真家よしおか和」は、今にも消えてなくなってしまいそうなアメリカのよき時代の残像を嗅覚鋭く見つけ出して記録する。砂漠にうち捨てられた廃車の山、風雪に耐えて傷んだ看板、無人のガスステーション・・・・。何億年もそこにあり続ける大地の上で、地球の歴史と比べればほんの一瞬にすぎない人類の営みの断片を、消えてなくなってしまう前にフィルムに刻み付けようともがく。漫然と通り過ぎてしまえば見落としてしまいそうな風景が、実はとても儚くて愛おしいものであったことを、僕らに見せつけてくれる。

イラストレーター 中沢ヨシオ

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